> 職人からの作業報告

住宅塗装の足場について

外壁塗装の際、気になるのは足場の状態です。
果たしてどういう足場を組まれるのか、
高さはどうなのか、
組み立てる時の近隣住宅への騒音は……

気にすればいくつも出てくる不安です。
実際立てるまで分からない、なかなか出てこない足場の情報。

それでは、こちらをご覧ください。

足場には二種類あり、ひとつは単管足場、もうひとつはクサビ式足場です。クサビ式緊結足場とも言い、職人にもっとも好かれる足場でもあります。
単管足場は、昔の塗装現場では良く用いられた、とてもメジャーな足場でした。鉄柱を二本組み合わせて足場にするような形の足場はとても不安定で、塗装中は常に片手が手放せません。
職人の中にも、何人も落下し、仕事が出来ないからだになったり、命を落としたりする人もいたそうです。
塗料缶もおいておけないので、常に片手に持ったままの作業。
落ちないように気を遣い、塗料缶を落とさないように気を遣い……塗装だけに集中出来ない状態でも、もちろん職人は最善を尽くしましたが、それも限界があります。
そこで、クサビ式足場が登場しました。
溝渠(どぶ)を塞いでいる蓋のような形状の足場は、地面と同じように両足をつけ、とても安定しています。塗料缶もおけるので、両手を離しての作業が可能になりました。また、落下の心配もなく作業出来る足場は、職人にとってはとてもありがたい足場でした。
結果的に、塗装業務に集中出来るようになり、スピードも質もグンと上がりました。
今ではこちらがメジャーになり、単管足場は職人には嫌われる足場となりました。職人としての危険度が大きく違うのですから、当たりまえでしょう。

クサビ式緊結足場は、鉄パイプを組み合わせた後に金槌で打ちこみます。
そのため、周囲にも鉄を叩く音が響いてしまい、騒音はどうしても避けがたくなってしまいますので、職人ともどもご配慮願いたい問題点です。

高圧洗浄や塗装の際、周囲への飛散を防ぐため、メッシュシートは必ず掛けさせていただきます。目には見えなくとも、細かい塗料が散布してしまうからです。
職人の作業服を見てもらえれば一目瞭然かと思いますが、どうしても細かい塗料の飛散は防げません。
また、高圧洗浄の際も、古い塗膜を削り落とせるくらいの勢いの水流ですので、汚れた水だけでなくとも飛散してしまいます。
また屋根の洗浄の際は、メッシュシートも足場も屋根より高く設置し、屋根の洗浄水が散布しないようにさせていただきます。
少しでも近隣にご迷惑をかけないよう、職人も心配りをしてまいります。

風が強い日などは、あらかじめメッシュシートを畳んで現場を去らせていただく事もあります。足場と言っても鉄の塊。強風にメッシュシートが煽られて倒れてしまっては、お客様の危険にも繋がります。
台風の日などは特に畳んでいく事が多いかと思います。

以上が、大まかに足場に関する注意点です。
業者によって様々なラインもありますので、この四点が全ての業者に通じるわけでもございません。
あくまで目安として、こういったこともあるのだと、頭の片隅にでもおいていただけましたら幸いです。

高圧洗浄で長年の汚れを洗い流す

外壁塗装を行うのは約10年に1度ほど、と言われています。

もちろん、それは家の環境や状況によって変わってきますが、総じて塗装を行う前の家にはカビやこびり付いた汚れが目に見えるほどに付着しています。層のように積もったその上から塗膜を厚く塗りつけても素地に密着しているわけではないので、素地上に積もった汚れと共に剥がれ落ちてしまって意味を成さない…と言うことに。
なので、まずはその汚れを徹底的に洗い流す必要がありますが、手でゴシゴシと擦って落とすのでは時間もかかりますし、綺麗に落としきれません。

そこで、高圧洗浄機を使って、しっかりと汚れを落としていきます。
この高圧洗浄機は最大で150気圧のハイパワーで水を勢いよく噴射。汚れを落としていきます。その威力は素手で触れたら怪我をしてしまったり、ゴム靴などに向けて噴射し続けると靴に穴があくほどの力です。これを外壁めがけて射出すると見る見るうちに外壁に黒い水が流れていくのがわかります。
この黒い汚水が長年の間にこびり付いた汚れで、塗料をしっかりと密着させない原因でもあります。屋根上から外壁、雨樋の中など洗えるところは徹底的に洗浄。網戸なども洗浄できますが、古い網戸の場合、あまりの威力に破れてしまうこともあるので注意してください。
この時にかなり水しぶきが舞うので、メッシュシートは必須です。屋根上も洗浄するため 汚水が舞い散り、隣近所のご迷惑にならないようメッシュシートは屋根より高く張り上げる必要があります。

そうして古い塗膜や汚れを落とし、素地と塗料をしっかりと密着させることが塗装を長持ちさせるポイントの1つになります。

塗装指導員によるコロニアル屋根の塗装

塗装指導員の資格を持つ川口による、コロニアル屋根の塗装。下塗りの前に、まずは高圧洗浄から行いました。
ポリバケツに水を溜め、そこに高圧洗浄機のホースを入れます。150キロ圧の高圧洗浄機は、住宅街と言う事も踏まえて音の静かな物を選びました。
雨が降っていたせいもありますが、高圧洗浄は物凄い水流での洗浄となりますので、跳ね返りの水も尋常じゃありません。まるで頭から水を浴びたのか……と言えるくらいびしょ濡れになってしまうので、ヤッケというカッパのようなものを着て高圧洗浄を行います。このヤッケ、塗装の際にも使用出来る優れものです。
屋根の上から軒天を洗浄したり、足場に降りて外壁を洗浄したりと、動き回ります。跳ね返る水の勢いは動画を見ていただければ分かると思うのですが、凄い勢いです。
もちろん汚れた水も吹き飛ぶのですが、これは足場のメッシュシートが飛散をガードしてくれるので、隣の家を汚したりすることはありません。
一見そこまで汚れてないと思う外壁でも、高圧洗浄をすれば汚れた水が垂れてくるのが分かり、長年の汚れの蓄積が見て取れます。

高圧洗浄が終わった後は、屋根の下塗りです。
透明のシーラーを塗布した後は濡れ感が残り、少し艶やかにも見えます。職人・川口がローラーを操りながら、下塗りを完了させた後は、中塗りを行いました。
少し艶感のあるコロニアル屋根のスレートの重なりにまずローラーを転がし、そのあと全体に塗布。こうして塗り残しがないように何度も転がします。

外壁の上塗りにはオフホワイトの塗料を使用。
右に左にとローラーを転がすだけでなく、持ち替えた作業は、塗り残しがないよう綺麗に塗布をする職人の気概が感じられます。